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俺は真島、真島昌利。愛車探偵だ。
いつものように冴子が面倒なヤマを持ってきた。
数年前に死んじまった議員センセイのクルマをバレないように盗ってこいってさ。
あいかわらず無茶いいやがるぜ、冴子のヤツ。まぁ、やるけどさ。
で、車種は何なの? ん? …ケータハム160!
えっ、この依頼人の遠藤ってヤツは…これは一体どういうことだ?
ケータハム セブン160 (Caterham Seven 160) わずか500kg足らずのボディにスズキ製660cc直列3気筒エンジンを搭載。サイズ、エンジン排気量ともに日本の軽自動車規格に合うように設計された特別仕様だが、コンパクトエンジン、ライブアクセルリアサスペンションなど、「初期セブンのパイオニア精神を体現」したモデルといえる。ケータハムシリーズの中では、最も気軽にセブン痛快な操縦性を味わえるモデルである。
http://www.caterham-cars.jp/cars/seven-160.htmlやあ、俺は真島、真島昌利。愛車探偵だ。
今回冴子が持ってきたのはいつもと違ってそう悪くない話だ、たぶん。
刑期を終えた元ヤクザが、惚れた女に昔のクルマで会いに行きたい、ただそれだけのこと。
問題はもうそのクルマがもうスクラップになっちまってるってことだ。
で、俺たちは同じ型のクルマに元ヤクザのクルマのデータを移植することにしたワケ。
あぁ、そうさ。なにも問題は起こらないはずだったんだよ…。
メルセデスベンツ SL320 (Mercedes Benz SL320)
スーパースポーツとラグジュアリーを兼ね備えた4代目のSLクラス。野坂が捕まった年、1994年のモデルである。
ロングノーズのフロントボンネットには直列6気筒DOHCエンジンを搭載。Sクラスのシャーシを使っているため、安全性はSクラスと同等。世界最高のステータス性を持った2ドアスポーツカーといえる。高級車であるSL320に野坂が乗っていたということは、かなり羽振りがよい上に、相当なカーマニアだったのだろう。
ちょ、待てよ! いや、 真島昌利だけど、えらいことになっちまったぜ。
こともあろうにあいつが誘拐されるなんて…しかしなんであいつなんだよ。
今回ばかりはあの冴子でさえ、神妙な顔してらぁ。
それにしても犯人の要求がまた意味がわかんねぇ。プリウスって…。
いったい何をたくらんでやがる。とにかく今は犯人の要求をのむしかない。
待ってろよ。絶対に助けてやるからな。
トヨタ・プリウス 3代目(TOYOTA PRIUS)
トヨタが1997年に製造・発売を開始した世界初の量産ハイブリッド専用車「プリウス」の3代目。当時トヨタのハイブリッド車国内累計販売100万台達成に大きく貢献した人気のエコカー。犯人に時間を指定され、2010年型のプリウスを探しに街を駆け回るタツローだったが、人気車種だったおかげで、何とか間に合わせることができた。
ゼノス E10(ZENOS E10)
ラストで人質救出に向かうふたりが乗っていたクルマ。ケータハムの元CEOアンサー・アリが立ち上げたイギリスのメーカー「ゼノス」のライトウェイトスポーツカー。まだ日本ではほとんど輸入されていないE10で出動する愛車探偵がすご過ぎる。彼らがどうやってE10を手に入れたのかが気になるが、おそらく…。